結果の概要

2018年度から2020年度までの介護給付費等の受給者数を年齢階級別に分析しました。
介護給付費等の受給者数は増加傾向にあり、その大部分は90歳以上の受給者の増加によるものであることがわかりました。これは、寿命の伸長という高齢社会の進展が背景にあると考えられます。
逆に、60歳以上の受給者は減少傾向でした。この要因として、人口構成比が変化していることや健康寿命が伸長していることが考えられます。

 

調査概要

  • 調査名:介護給付費等の受給者数
  • 出典:厚生労働省『介護給付費等実態統計』平成30年度・令和元年・令和2年報告分、表03

 

調査詳細

1. 2018年度〜2020年度の受給者数を年齢階級別に見た。2020年度時点の値を見ると、60代以下は約350万人、70代は約1170万人、80代は約2910万人、90代以上は約1890万人だった。傾向を見ると、60代以下は減少、70代・80代・90代以上は増加している。

 

2. 2018年度〜2020年度の受給者数を要支援に限定して年齢階級別に見た。2020年度時点の値を見ると、60代以下は約60万人、70代は約220万人、80代は約500万人、90代以上は約190万人だった。傾向を見ると、70代・80代・90代以上は増加している。特に80代・90代以上の増加傾向が顕著である。

 

3. 2018年度〜2020年度の受給者数を要介護に限定して年齢階級別に見た。2020年度時点の値を見ると、60代以下は約290万人、70代は約950万人、80代は約2410万人、90代以上は約1700万人だった。傾向を見ると、60代以下は減少、70代・90代以上は増加している。

 

4. 2018年度〜2020年度の年齢階級別の受給者数構成比を見た。2020年度時点の値を見ると、60代以下は5.5%、70代は18.5%、80代は46.1%、90代以上は29.9%だった。傾向を見ると、60代以下・80代は減少、90代以上は増加し、70代は横這いに推移している。

 

5. 2018年度〜2020年度の年齢階級別の受給者数構成比を要支援に限定して見た。2020年度時点の値を見ると、60代以下は6.1%、70代は22.6%、80代は52.0%、90代以上は19.3%だった。傾向を見ると、60代以下・80代は減少、90代以上は増加している。

 

6. 2018年度〜2020年度の年齢階級別の受給者数構成比を要介護に限定して見た。2020年度時点の値を見ると、60代以下は5.4%、70代は17.7%、80代は45.1%、90代以上は31.8%だった。傾向を見ると、60代以下・80代は減少、90代以上は増加し、70代は横這いに推移している。

研究員

安齋 耀太

研究員

安齋 耀太

東京大学大学院博士課程 単位取得後満期退学。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg 客員研究員、神奈川工科大学および神奈川社会福祉専門学校 非常勤講師を歴任。2021年、(株)エス・エム・エスに入社。介護事業者向け事業の経営企画に携わりながら、高齢社会に関する統計調査の設計・実行・分析・発信に従事。社会調査士。

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