2021/10/30

都道府県別要介護・要支援認定者数

結果の概要

今回、要介護・要支援認定者数を都道府県別に調査した。
要介護・要支援認定者数の実数を見ると、当然人口の多い大都市圏(東京・大阪など)に集中していた。
しかし、その内訳として要支援および要介護の構成比を見ると、これとは異なる傾向が読み取れる。すなわち、東日本は要介護の構成比が高く、西日本は要支援の構成比が高い傾向が見られた。少なくとも、要介護の構成比の高い上位3都道府県は東日本に属し、逆に要支援の構成比の高い上位3都道府県は西日本に属していた。
また、推計人口千人あたりの要介護・要支援認定者数を見ると、西日本は総じて数が多く、沖縄・首都圏の数が相対的に少ない傾向も読み取れる。
推計高齢者人口千人あたりの要介護・要支援認定者数では、近畿地方の数が多く、北関東の数が少ないという傾向も読み取れる。

 

調査概要

調査名:都道府県別要介護・要支援認定者数
出 典:厚生労働省「介護保険事業状況報告」(令和元年度・年報)表番号04-1-1T/総務省統計局「人口推計」(2019年10月1日現在)表番号11

 

調査詳細

1. 都道府県別の要介護・要支援認定者数のデータを示す。人口の多い大都市圏に要介護・要支援認定者数も集中していることがわかる。

 

 

2. 参考までに、1.を要支援・要介護で分けたグラフを示す。

 

3. 次に、都道府県別の要介護・要支援認定者数を、要支援と要介護で分けた場合の構成比を示す。要支援割合の大きい順に、兵庫県(要支援36.5%/要介護63.5%)、大阪府(要支援33.8%/要介護66.2%)、和歌山県(要支援33.1%/要介護66.9%)である。要介護割合の大きい順に、山梨県(要支援14.5%/要介護85.5%)、青森県(要支援18.3%/要介護81.7%)、山形県(要支援19.6%/要介護80.4%)である。

 

 

4. 都道府県別の推計人口千人あたりの要介護・要支援認定者数を以下に示す。多い順に、秋田県(76.1人)、和歌山県(73.9人)、島根県(71.6人)である。少ない順に、沖縄県(40.8人)、埼玉県(41.6人)、愛知県(42.2人)である。

 

 

5. 都道府県別の推計高齢者人口千人あたりの要介護・要支援認定者数を以下に示す。多い順に、和歌山県(223.5人)、大阪府(215.6人)、愛媛県(212.0人)である。少ない順に、埼玉県(156.1人)、茨城県(157.2人)、山梨県(158.7人)である。

 

研究員

安齋 耀太

研究員

安齋 耀太

東京大学大学院博士課程 単位取得後満期退学。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg 客員研究員、神奈川工科大学および神奈川社会福祉専門学校 非常勤講師を歴任。2021年、(株)エス・エム・エスに入社。介護事業者向け事業の経営企画に携わりながら、高齢社会に関する統計調査の設計・実行・分析・発信に従事。社会調査士。

注目タグ