
介護の質の評価に関するインタビュー調査
「どのようにすればケアマネジメント・プロセスが適切に運用されている状態をつくることができるのか?」に関する調査研究の一環として、東洋大学・高野龍昭准教授の監修を受け、ケアマネジャーを対象としたアンケート調査およびインタビュー調査を行いました。
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高齢社会ラボでは現在、「どのようにすればケアマネジメント・プロセスが適切に運用されている状態をつくることができるのか?」というテーマについて調査研究をおこなっています。これに関連して、ケアマネジメント・プロセスがどのように運用されているか、ケアマネジャーを対象としたアンケート調査を行うことにいたしました。今回はアセスメント編となります。
アセスメント項目の全ての項目についてある程度以上の情報収集がなされていることが確認されました。他方で、ACPやインフォーマルサービスのニーズなど、2021年の報酬改定で新たに盛り込まれた項目については、収集の程度が低下していることがわかりました。
収集した情報の分析の際には、多くの場合介護職員やソーシャルワーカーといった他の福祉系専門職との連携がおこなわれていることも明らかになりました。他方で、他のケアマネジャーや医療系専門職については、連携の頻度が低下していました。
1. アセスメントの各項目の情報について、どの程度収集できているのかを、「十分に収集している」「ある程度は収集している」「ほとんど収集していない」「全く収集していない」の4段階で尋ねた。全ての項目において「十分に収集している」「ある程度は収集している」という回答が大半を占めた。
1-1. 「十分に収集している」という回答の割合が少ないものを順に見ると以下のとおりとなった。この5つの項目のみ、「十分に収集している」という回答の割合が50%を下回っていた。
1-2. 「十分に収集している」「ある程度は収集している」という回答の割合が少ないものを順に見ると以下のとおりとなった。
2. アセスメントにおける分析をおこなう際に、各専門職に対してどの程度相談をする・意見を聞く等の連携をしているかを、「ほぼ毎回連携している」「たまに連携している」「ほとんど連携していない」「全く連携していない」の4段階で尋ねた。
2-1. 「ほぼ毎回連携している」という回答の割合が多いものを順に見ると、以下の傾向が見られた。
2-2. 「ほぼ毎回連携している」「たまに連携している」という回答の割合が多いものを順に見ると、以下の傾向が見られた。
研究員
東京大学大学院博士課程 単位取得後満期退学。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg 客員研究員、神奈川工科大学および神奈川社会福祉専門学校 非常勤講師を歴任。2021年、(株)エス・エム・エスに入社。介護事業者向け事業の経営企画に携わりながら、高齢社会に関する統計調査の設計・実行・分析・発信に従事。社会調査士。