2022/12/30

通所介護の請求状況(2022年10月):科学的介護推進体制加算

結果の概要

カイポケ会員である通所介護事業所(地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、介護予防を含まない)の2021年4月~2022年10月の請求データから、科学的介護推進体制加算の算定率の月次推移を出しました。

科学的介護推進体制加算の算定率については、ゆるやかに上昇していることがわかりました。ただし、サービス種別ごとに詳細を見ると、通所介護・地域密着型通所介護における算定率は上昇しているものの、認知症対応型通所介護については横這いの状態が続いていました。

 

調査概要

  • 調査名:通所介護の請求状況(2022年10月):科学的介護推進体制加算
  • データ:カイポケの請求データ(通所介護、2021年4月~2022年10月)

 

調査詳細

以下のグラフについて、科学的介護推進体制加算の算定率の定義を示す。
N月の算定率:「N月に提供されたサービスにつき科学的介護推進体制加算を含む請求をおこなった事業所の数」/「N月に提供されたサービスにつき請求をおこなった事業所の数」

1. 通所介護(地域密着型通所介護と認知症対応型通所介護を含み、介護予防を含まない)事業所における科学的介護推進体制加算の算定率の推移を見ると、2021年4月の19.8%から、2022年9月には29.0%まで増加していることがわかった。

2. 通所介護(地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、介護予防を含まない)事業所における科学的介護推進体制加算の算定率の推移を見ると、1.の数値よりも押しなべて高く、2021年4月の25.7%から、2022年9月には35.0%まで増加していることがわかった。

 

3. 地域密着型通所介護事業所における科学的介護推進体制加算の算定率の推移を見ると、1.の数値よりも押しなべて低く、2021年4月の16.5%から、2022年9月には25.6%まで増加していることがわかった。

 

4. 認知症対応型通所介護(介護予防を含まない)事業所における科学的介護推進体制加算の算定率の推移を見ると、1.~3.とは異なって増加傾向が見られず、およそ25~28%前後で停滞していることがわかった。

 

なお、2021年4月における算定率について見ると、2021年8月に公開した「LIFE関連加算の請求状況(通所介護、2021年4月)」と値が異なっている。これはデータ抽出の定義の違いによるものである。

研究員

安齋 耀太

研究員

安齋 耀太

東京大学大学院博士課程 単位取得後満期退学。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg 客員研究員、神奈川工科大学および神奈川社会福祉専門学校 非常勤講師を歴任。2021年、(株)エス・エム・エスに入社。介護事業者向け事業の経営企画に携わりながら、高齢社会に関する統計調査の設計・実行・分析・発信に従事。社会調査士。

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