2022/10/30

訪問介護の請求状況(2022年9月):処遇改善加算

結果の概要

カイポケ会員である訪問介護事業所の2018年4月~2022年9月の請求データから、介護職員処遇改善加算および介護職員等特定処遇改善加算の算定率の月次推移を出しました。

介護職員処遇改善加算の算定率については、ゆるやかな上昇にあることがわかりました。

また、介護職員等特定処遇改善加算の算定率については、創設以後大きく上昇していましたが、この上昇のほとんどは年度替わりの際に生じており、他の月ではほとんど変動が見られないことがわかりました。年度替わりの際の算定率の上昇は、その幅が徐々に小さくなってきており、介護職員等特定処遇改善加算の算定率の上昇が停滞しつつあることが示唆されています。

 

調査概要

  • 調査名:訪問介護の請求状況(2022年9月):処遇改善加算
  • データ:カイポケの請求データ(訪問介護、2018年4月~2022年9月)

 

調査詳細

カイポケ会員である訪問介護事業所の2018年4月~2022年9月の請求データから、介護職員処遇改善加算および介護職員等特定処遇改善加算の算定率の月次推移を出した。(下図)

値の定義は以下のとおりである。

  • N月の算定率:「N月に提供されたサービスにつき当該加算項目を含む請求をおこなった事業所の数」/「N月に提供されたサービスにつき請求をおこなった事業所の数」
  • ただし、返戻は加味していない。

グラフからは、以下のことが読み取れる。

  1. 介護職員処遇改善加算の算定率はなだらかに上昇している。2018年4月の算定率は77.6%、2022年4月の算定率は81.8%であり、4年で4.2%の上昇である。
  2. 介護職員等特定処遇改善加算の算定率は創設された2019年10月から現在までに大きく上昇している。2019年10月の算定率は27.5%、2022年4月の算定率は48.9%であり、2年半で21.4%の上昇である。
  3. 介護職員等特定処遇改善加算の算定率について、3月から4月にかけての変化が大きく、その変化の度合いは年々小さくなっている。

研究員

安齋 耀太

研究員

安齋 耀太

東京大学大学院博士課程 単位取得後満期退学。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg 客員研究員、神奈川工科大学および神奈川社会福祉専門学校 非常勤講師を歴任。2021年、(株)エス・エム・エスに入社。介護事業者向け事業の経営企画に携わりながら、高齢社会に関する統計調査の設計・実行・分析・発信に従事。社会調査士。

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