自立支援の取り組みに関する調査
介護保険法に「保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない」とあるように、介護サービスでは自立支援が重要とされています。これを受けて、高齢社会ラボでは、介護事業者が自立支援をどのように捉えているか調査しました。
詳しく見る
介護サービス(介護予防サービスを除く。以下同じ)の市場規模の変化を捉えるため、介護サービス全体および居宅サービスの費用額の推移を調査しました。
介護サービス全体を見ると、通所介護の一部が地域密着型通所介護に移管されたこともあり、この10年間で地域密着型サービスの費用額が著しく増加していることがわかりました。
また、居宅サービスについて見ると、特に訪問看護・特定施設入居者生活介護の費用額が著しく増加していました。
サービス種類大分類別に推移を見ると、大きい順に「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」となっており、特に「地域密着型サービス」はこの10年間での伸び率が著しく高いことがわかった。また、構成比の推移を見ると、「居宅サービス」の割合はほぼ横這い、「施設サービス」が下降傾向、「地域密着型サービス」が上昇傾向にあることがわかった。
居宅サービスについてサービス種類中分類別に推移を見ると、金額としては「通所サービス」「訪問サービス」が大きいものの、伸び率で見ると「特定施設入居者生活介護」の値が著しく高いことがわかった。
居宅サービスについてサービス種類小分類別に推移を見ると、金額としては「通所介護」「訪問介護」が大きいものの、伸び率で見ると「訪問看護」の値が著しく高いことがわかった。
研究員
東京大学大学院博士課程 単位取得後満期退学。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg 客員研究員、神奈川工科大学および神奈川社会福祉専門学校 非常勤講師を歴任。2021年、(株)エス・エム・エスに入社。介護事業者向け事業の経営企画に携わりながら、高齢社会に関する統計調査の設計・実行・分析・発信に従事。社会調査士。