2023/3/30

居宅サービスの費用額推移(2011-2020)

結果の概要

介護サービス(介護予防サービスを除く。以下同じ)の市場規模の変化を捉えるため、介護サービス全体および居宅サービスの費用額の推移を調査しました。

介護サービス全体を見ると、通所介護の一部が地域密着型通所介護に移管されたこともあり、この10年間で地域密着型サービスの費用額が著しく増加していることがわかりました。

また、居宅サービスについて見ると、特に訪問看護・特定施設入居者生活介護の費用額が著しく増加していました。

 

調査概要

  • 調査名:居宅サービスの費用額推移(2011-2020)
  • 出典:厚生労働省『介護保険事業状況報告』(2011-2020)
  • 留意点
    • 費用額とは、保険給付額・公費負担額・利用者負担額の合計額であり、市町村が直接支払う償還払いは含まない。
    • 介護サービス(要介護1~5)に係る費用額のみを示し、介護予防サービス(要支援1~2)に係る費用額は除いている。
    • 通所介護の一部が地域密着型通所介護として地域密着型サービスに移されたことを受けて、2015年から2016年にかけて居宅サービス(通所介護)の費用額が減少し、対して地域密着型サービス(地域密着型通所介護)の費用額が増加している。

 

調査詳細

1. 介護サービス全体の費用額(サービス種類大分類別)

サービス種類大分類別に推移を見ると、大きい順に「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」となっており、特に「地域密着型サービス」はこの10年間での伸び率が著しく高いことがわかった。また、構成比の推移を見ると、「居宅サービス」の割合はほぼ横這い、「施設サービス」が下降傾向、「地域密着型サービス」が上昇傾向にあることがわかった。

 

 

 

 

 

 

2. 居宅サービスの費用額(サービス種類中分類別)

居宅サービスについてサービス種類中分類別に推移を見ると、金額としては「通所サービス」「訪問サービス」が大きいものの、伸び率で見ると「特定施設入居者生活介護」の値が著しく高いことがわかった。

 

 

 

 

 

 

3. 居宅サービスの費用額(サービス種類小分類別)

居宅サービスについてサービス種類小分類別に推移を見ると、金額としては「通所介護」「訪問介護」が大きいものの、伸び率で見ると「訪問看護」の値が著しく高いことがわかった。

 

 

 

 

研究員

安齋 耀太

研究員

安齋 耀太

東京大学大学院博士課程 単位取得後満期退学。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg 客員研究員、神奈川工科大学および神奈川社会福祉専門学校 非常勤講師を歴任。2021年、(株)エス・エム・エスに入社。介護事業者向け事業の経営企画に携わりながら、高齢社会に関する統計調査の設計・実行・分析・発信に従事。社会調査士。

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