2022/5/30

介護サービス事業所の事業規模別給与費額と給与比率 (地域密着型サービス編)

結果の概要

高齢社会ラボでは、今までに「介護サービス事業所の事業規模別給与費額と給与比率」という記事を在宅サービス編施設サービス編に分けて公開しました。今回は、その地域密着型サービス編となります。
最も望ましい状態は、事業規模の拡大につれて、常勤換算1人当たり給与費は増加し、給与比率は低下している状態です。地域密着型サービスでは、唯一認知症対応型共同生活介護がこの通りの結果を示していました。

 

調査概要

  • 調査名:介護サービス事業所の事業規模別給与費額と給与比率(地域密着型サービス編)
  • 出典:厚生労働省「令和2年度介護事業経営実態調査」表84~92

 

調査詳細

1. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の実利用者数階級別の常勤換算1人あたり給与費と給与比率を見たところ、実利用者数が増えるにつれて、常勤換算1人あたり給与費はほぼ変わらず、給与比率は低下する傾向が見られた。

 

2. 夜間対応型訪問介護の延べ訪問回数階級別の常勤換算1人あたり給与費と給与比率を見たところ、延べ訪問回数101~200回の事業所は延べ訪問回数100回以下の事業所と比べて常勤換算1人あたり給与費は高く給与比率は低下しているが、延べ訪問回数201回以上の事業所は延べ訪問回数101~200回の事業所と比べて常勤換算1人あたり給与費は低く給与比率は上昇していた。

 

3. 地域密着型通所介護の延べ利用者数階級別の常勤換算1人あたり給与費と給与比率を見たところ、延べ利用者数が増えるにつれて、常勤換算1人あたり給与費は微増し、給与比率は低下する傾向が見られた。

 

4. 認知症対応型通所介護の延べ利用者数階級別の常勤換算1人あたり給与費と給与比率を見たところ、常勤換算1人あたり給与費は延べ利用者数が増えてもほぼ変わらず、給与比率は中規模事業所~大規模事業所に限って見ると延べ利用者数が増加するにつれて低下する傾向が見られた。

 

5. 小規模多機能型居宅介護の実利用者数階級別の常勤換算1人あたり給与費と給与比率を見たところ、常勤換算1人あたり給与費は実利用者数が増えてもほぼ変わらず、給与比率は給与費は実利用者数が増えるにつれて低下する傾向が見られた。

 

6. 認知症対応型共同生活介護の定員規模別の常勤換算1人あたり給与費と給与比率を見たところ、定員が増えるにつれて、常勤換算1人あたり給与費は増加し、給与比率は低下する傾向が見られた。

 

7. 地域密着型特定施設入居者生活介護の実利用者数階級別の常勤換算1人あたり給与費と給与比率を見たところ、実利用者数が増えても、常勤換算1人あたり給与費も給与比率もほぼ変化していなかった。

 

8. 地域密着型介護老人福祉施設の定員規模別の常勤換算1人あたり給与費と給与比率を見たところ、定員が増えるにつれて、常勤換算1人あたり給与費は減少し、給与比率は低下する傾向が見られた。

 

9. 看護小規模多機能型居宅介護の実利用者数階級別の常勤換算1人あたり給与費と給与比率を見たところ、実利用者が増えるにつれて、常勤換算1人あたり給与費は増加し、給与比率は低下する傾向が見られた。

 

研究員

安齋 耀太

研究員

安齋 耀太

東京大学大学院博士課程 単位取得後満期退学。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg 客員研究員、神奈川工科大学および神奈川社会福祉専門学校 非常勤講師を歴任。2021年、(株)エス・エム・エスに入社。介護事業者向け事業の経営企画に携わりながら、高齢社会に関する統計調査の設計・実行・分析・発信に従事。社会調査士。

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