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2020/11/10

介護従事者の処遇状況について(月給・常勤の者)

結果の概要

介護従事者等の平均給与額は(月給・常勤の者)は平成27年9月から平成30年9月までの4年間で増加していた。
保有資格別で見ると、介護職員が増加しており、中でも介護職員初任者研修終了者や資格なしの方の平均給与額の増加率が大きく、介護福祉士や実務者研修終了者のほうが増加率が少ない傾向となっていた。
介護従事者等の平均基本給額(月給・常勤の者)は平成27年9月から平成30年9月までの4年間で増加しているものの、増加率は低い状況となっている。

調査トピックス

  1. 平成27年9月から平成30年9月における、介護従事者等の平均給与額の状況(月給・常勤の者、保有資格別) 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得(届出)している事業所における、介護職員 (月給・常勤の者)の平均給与額について、保有資格別を見ると全ての介護従事者(月給・常勤の者)の平均給与額は増加していた。なかでも介護職員である、介護職員初任者研修修了者が108.1%増加、保有資格なしが107.3%増加していた。資格上位者である介護福祉士や実務者研修修了者がそれぞれ、106.6%、103.3%と増加率が少ない状況であった。
  2. 平成27年9月から平成30年9月における、介護従事者等の平均基本給額の状況(月給・常勤の者、職種別) 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得(届出)している事業所における介護職員 (月給・常勤の者)の平均基本給額は、102.4%と他の保有資格に比べて増加率は大きいもののさほど大きな増加は見られなかった。介護職員以外の保有資格者の状況を見るとほぼ変化がない状況であることが分かった。

調査概要

所長の一言

介護職員処遇改善加算の効果もあり、介護従事者等の平均給与額(月給・常勤の者)は増加傾向となっているが、介護職員のなかでも、資格なしや初任者研修修了者の平均給与額の増加率の方が高く、厳しい採用環境のなかで、新規採用者や、採用して比較的期間の短い介護職員に対する処遇が手厚くなっている傾向ではないかと推測される。上位資格者の平均給与額の増加率が低いことから、特定処遇改善加算が制度化されたものと考えられるため、今後も、特定処遇改善加算を踏まえた平均給与額の推移を見守りたい。

調査詳細

平成27年9月から平成30年9月における、介護従事者等の平均給与額の状況(月給・常勤の者、保有資格別) 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得(届出)している事業所

(単位:円)

 

平成27年9月から平成30年9月における、介護従事者等の平均基本給額の状況(月給・常勤の者、職種別) 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得(届出)している事業所

(単位:円)

 

研究員

松野 雄太

所長

松野 雄太

2003年大手在宅系介護事業会社入社。日本各地の介護事業所開設や運営支援、ICTやロボットを活用した介護現場の生産性向上などに幅広く関わる。事業部門責任者、執行役員を歴任後、取締役副社長就任。 2019年エス・エム・エスに入社。介護事業者向け経営コンサルティングや商品企画に従事。厚生労働省調査研究などに関わり、介護事業者向けセミナー講師なども務める。

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