結果の概要

本記事は、2020年11月10日に公開した「介護従事者の処遇状況について(月給・常勤の者)」という記事に最新の情報と新たな図表を加えたものである。
介護従事者(介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)の届出をしている事業所における月給・常勤の者)の平均給与額の増加傾向は、昨年度記事時点から変わらず続いていることがわかった。
また、そのなかでも特に、介護職員および生活相談員・支援相談員の平均給与額の増加率が著しく高くなっていた。

 

調査概要

調査名:介護従事者の処遇状況について(月給・常勤の者)2021年度版
出典:厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査」(平成27年~令和2年)

 

調査詳細

1. 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)の届出をおこなっている事業所では、平成27年9月から令和2年2月にかけて、どの職種・資格においても、平均給与額は増加傾向にある。

 

 

2. 1.の推移につき、職種に着目して対前回調査増加率を見ると、「生活相談員・支援相談員」「調理員」を除いて、W字を描くように推移していた。また、この期間において常に増加している職種は存在しなかった。

 

 

3. 2.のグラフにおいて介護職員に着目して保有資格別内訳を見ると、2.と同様にW字の傾向が見られた。また同様に、この期間において常に増加しているカテゴリーは存在しなかった。このグラフの特徴として、平成31年2月調査時点および令和2年2月調査時点での対前回調査増加率において、「保有資格なし」以外のカテゴリーがほぼ同じ値をとっているという点を挙げられる。

 

 

4. 1.の推移を、職種に着目して平成27年9月時点を100%として変化の割合を見ると、「介護職員」「生活相談員・支援相談員」の増加率が著しいことがわかる。

 

5. 4.のグラフにおいて介護職員に着目して保有資格別内訳を見ると、「実務者研修」の増加率が低いことがわかる。

 

研究員

安齋 耀太

研究員

安齋 耀太

東京大学大学院博士課程 単位取得後満期退学。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg 客員研究員、神奈川工科大学および神奈川社会福祉専門学校 非常勤講師を歴任。2021年、(株)エス・エム・エスに入社。介護事業者向け事業の経営企画に携わりながら、高齢社会に関する統計調査の設計・実行・分析・発信に従事。社会調査士。

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