2020/11/30

介護事業経営実態調査結果の5年間推移

結果の概要

介護事業経営実態調査結果の概要における収支差率は5年間推移を確認すると、全サービス種類の平均を見ても減少している状況であり、介護事業所の経営状況が厳しい状況となっている。特に居宅サービスの中心である訪問介護や通所介護の収支差率が悪化傾向となっている状況が見受けられた。
給与費割合の増加による収支差率の悪化につながっているサービス種類もある一方で、通所介護等においては、サービス時間区分の見直し等による収支差率の悪化である傾向が伺える。

調査トピックス

  1. 平成27年度決算から令和元年度決算における介護事業経営実態調査結果の概要の収支差率5年間推移を確認したところ、平成27年度決算においては、全サービス種類の平均収支差率が3.8%であったのに対し、令和元年度決算においては、2.4%と減少し、5年間で平均収支差率が1.4%減少している状況となっている。特に居宅サービスにおいては、訪問介護(2.9%)、通所介護(3.9%)が収支差率が悪化している状況であった。また、地域密着サービスにおいては、地域密着特定施設入居者生活介護(4.2%)、看護小規模多機能型居宅介護(3.0%)が収支差率が悪化している状況であった。
  2. 平成27年度決算から令和元年度決算における介護事業経営実態調査結果の概要の給与費割合5年間推移を確認したところ、平成27年度決算においては、全サービス種類の平均給与費割合が65.4%であったのに対し、令和元年度決算においては、65.8%と増加し、5年間で0.4%増加している状況となっている。
    特に、居宅サービスにおいては訪問介護(2.4%)、訪問リハビリテーション(8.8%)、通所リハビリテーション(2.4%)の給与費が増加している状況であった。また、地域密着サービスにおいては、地域密着型特定施設入居者生活介護(5.4%)増加している状況であった。

調査概要

所長の一言

令和2年度介護事業経営実態調査の結果(案)においては令和元年度決算の数値による介護事業所の収支差率の結果であるため、新型コロナウイルスの発生による経営状況の悪化の状況がまだ反映されていない。前回調査において、多くの事業所で新型コロナが経営状況に影響を及ぼしているという回答があったことからも、2021年4月の介護報酬改定において、基本報酬の増額なども考慮した改定の方向性が示されないと、介護事業所の経営状況がさらに厳しいものとなることが予測されるため、継続して、切れ目なく利用者に対してサービス提供を実施できる環境が作れるよう介護報酬全体がプラスの改定率で検討されることが期待される。

調査詳細

1.平成27年度決算から令和元年度決算における、介護事業経営実態調査結果の収支差率5年間推移

(単位:%)

2.平成27年度決算から令和元年度決算における、介護事業経営実態調整結果の給与費割合5年間推

(単位:%)

研究員

松野 雄太

所長

松野 雄太

2003年大手在宅系介護事業会社入社。日本各地の介護事業所開設や運営支援、ICTやロボットを活用した介護現場の生産性向上などに幅広く関わる。事業部門責任者、執行役員を歴任後、取締役副社長就任。 2019年エス・エム・エスに入社。介護事業者向け経営コンサルティングや商品企画に従事。厚生労働省調査研究などに関わり、介護事業者向けセミナー講師なども務める。

注目タグ