結果の概要

前月記事「都道府県別・居宅サービスの推計従事者数」において、2015年から2019年まで各年10月1日時点における都道府県別・居宅サービスの推計従事者数および都道府県別・対推計人口比居宅サービスの推計従事者数を調査した。
これに続いて今回の記事では、2015年から2019年まで各年10月1日時点における都道府県別・対推計「高齢者」人口比居宅サービスの推計従事者数を調査した。
対推計「高齢者」人口比で見ても、西日本の従事者数が多いという結果となった。また、人口における高齢者の割合と、居宅サービスの推計従事者数に負の相関関係が見られた。

 

調査概要

調査名:都道府県別・居宅サービス推計従事者数

出典:

  1. 厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(e-Statよりデータを入手)。詳細票編・居宅サービス事業所・総括表・表番号6。平成27(2015)年、平成28(2016)年、平成29(2017)年、平成30(2018)年、令和元(2019)年の調査データを用いた(各年10月1日時点)。当該5回の調査において調査方法の変更が見られるが、今回の分析においてはその結果に対する影響を考慮しないこととした。結果を参照される場合には考慮されたい。
  2. 総務省「人口推計」(e-Statよりデータを入手)。各年10月1日現在人口。平成27(2015)年、平成28(2016)年、平成29(2017)年、平成30(2018)年、令和元(2019)年の調査データを用いた。

 

研究員の一言

今回の調査では、高齢化の進んでいない(=人口における高齢者の割合が低い)都道府県ほど、居宅サービスの従事者数が多いことがわかった。このことは逆に、生産年齢人口比率の高い都道府県ほど居宅サービス従事者が多いことを示唆している(ただし、高齢者以外の人口には幼年人口も含まれるので、必ずしも正確な表現ではない)。この示唆は、高齢化の進んだ自治体においていかに介護サービスを充実させるかという課題を改めて確認したものと言える。

調査詳細

1. 地域別に2019年時点での推計高齢者人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数を見た(上図)。西日本の方が、推計高齢者人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数が多いという傾向がわかる。あわせて、前月記事で取り上げた地域別・推計人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数のグラフを再掲する(下図)。

地域別・推計高齢者人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数(2019年、単位:人)

 

地域別・推計人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数(2019年、単位:人)

 

2. 都道府県別に2019年時点での推計高齢者人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数を見た(上図)。全体として、西日本(すなわち、近畿地方・中国地方・四国地方・九州地方)の数が多いという傾向は推計人口千人あたりで見たときと変わらないが、大阪府や沖縄県では大きな違いが見られた。あわせて、前月記事「都道府県別・居宅サービスの推計従事者数」で取り上げた都道府県別に2019年時点での推計人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数のグラフを再掲する(下図)。

 

都道府県別・推計高齢者人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数(2019年、単位:人)

 

都道府県別・推計人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数(2019年、単位:人)

 

3. 人口における高齢者の割合と居宅サービスの推計従事者数の関係性を見ると、負の相関が見られた。(ピアソンの積率相関係数:-0.60)

都道府県別・人口における高齢者の割合と居宅サービスの推計従事者数(2019年)

4. なお、2015年から2019年にかけて、推計高齢者人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数の都道府県順位を見ても、ほとんど変動はない(上図)。あわせて、前月記事で取り上げた推計人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数の都道府県順位におけるスピアマンの順位相関係数も再掲する(下図)。

推計高齢者人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数の都道府県順位におけるスピアマンの順位相関係数(各年と2019年)

 

推計人口千人あたりの居宅サービスの推計従事者数の都道府県順位におけるスピアマンの順位相関係数(各年と2019年)

 

5. さらに、推計高齢者人口千人あたり居宅サービス推計従事者の都道府県順位(上図)、推計人口千人あたり居宅サービス推計従事者の都道府県順位(下図)を載せる。

 

推計高齢者人口千人あたり居宅サービス推計従事者の都道府県順位(2015-2019年、単位:位(降順))

 

推計人口千人あたり居宅サービス推計従事者の都道府県順位(2015-2019年、単位:位(降順)

 

研究員

安齋 耀太

研究員

安齋 耀太

2021年、(株)エス・エム・エスに入社。介護事業者向け事業の経営企画に携わりながら、高齢社会に関する統計調査の設計・実行・分析・発信に従事。東京大学大学院博士課程 単位取得後満期退学。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg 客員研究員、神奈川工科大学および神奈川社会福祉専門学校 非常勤講師を歴任。社会調査士。

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