2022/4/30

都道府県別・施設サービスの常勤換算従事者数

結果の概要

高齢社会ラボでは、以前「都道府県別・居宅サービスの推計従事者数」「(続)都道府県別・居宅サービスの推計従事者数」の記事を公開しました。今回は、施設サービスに焦点を当てて、都道府県別の常勤換算従事者数を見ていこうと思います。

施設サービスの常勤換算従事者数を都道府県別に見ると、居宅サービスと同様に人口の多い大都市圏で多くなっている傾向にありました。しかし、居宅サービスの従事者数で東京都に迫っていた大阪府は、施設サービスでは東京都との差も大きく第3位に留まっていました。

各都道府県において人口千人に対する施設サービスの常勤換算従事者がどれくらいかを見ると、居宅サービスの対人口従事者数で第1位だった和歌山県は中位ほどに留まり、逆に居宅サービスの対人口従事者数で中位に留まっていた鳥取県が第1位になっていました。

また、各都道府県において高齢者人口千人に対する施設サービスの常勤換算従事者がどれくらいかを見ると、居宅サービスの対高齢者人口従事者数で第1位だった大阪府は最下位となっており、居宅サービスの対高齢者人口従事者数で中位に留まっていた鳥取県が第1位になっていました。

人口比・高齢者人口比で居宅サービスと施設サービスの従事者数を見ることによって、都道府県が居宅サービスの従事者数が相対的に多いところと施設サービスの従事者数が相対的に多いところに分かれるということが判明しました。

 

調査概要

  • 調査名:都道府県別・施設サービス常勤換算従事者数
  • 出典:
    ①厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(e-Statよりデータを入手)。詳細票編・介護老人福祉施設/介護老人保健施設/介護医療院/介護療養型医療施設。令和2(2020)年の調査データを用いた(各年9月30日時点)。
    ②総務省「人口推計」(e-Statよりデータを入手)。各年10月1日現在人口。令和2(2020)年の調査データを用いた。

 

調査詳細

1. 各都道府県における施設系サービスの常勤換算従事者数を見たところ、東京都が最も多く(第1位、48,650人)、以下神奈川県(第2位、37,044人)、大阪府(第3位、35,298人)、埼玉県(第4位、33,832人)、北海道(第5位、29,674人)と続いた。

 

 

2. 各都道府県の人口千人に対して施設系サービスの常勤換算従事者数がどれくらいかを見たところ、鳥取県が最も多く(第1位、8.72人)、以下秋田県(第2位、8.63人)、島根県(第3位、8.58人)、高知県(第4位、8.23人)、鹿児島県(第5位、7.87人)と続いた。

 

 

3. 各都道府県の高齢者人口千人に対して施設系サービスの常勤換算従事者数がどれくらいかを見たところ、鳥取県が最も多く(第1位、26.94人)、以下島根県(第2位、25.03人)、鹿児島県(第3位、24.16人)、富山県(第4位、23.48人)、鹿児島県(第5位、23.39人)と続いた。

 

研究員

安齋 耀太

研究員

安齋 耀太

東京大学大学院博士課程 単位取得後満期退学。日本学術振興会 特別研究員(DC1)、Martin-Luther-Universität Halle-Wittenberg 客員研究員、神奈川工科大学および神奈川社会福祉専門学校 非常勤講師を歴任。2021年、(株)エス・エム・エスに入社。介護事業者向け事業の経営企画に携わりながら、高齢社会に関する統計調査の設計・実行・分析・発信に従事。社会調査士。

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